乳歯にむし歯が生じたり、大きく欠けたりすると、歯質が失われるだけでなく、場合によっては病変がさらに進行し、歯髄に影響を及ぼすことがあります。
特に乳前歯では、大きな欠損によって歯の形態が変化し、咀嚼機能やお子さまの笑顔の審美性に影響する場合があります。
如玉歯科医院での実際の症例として、5歳のM.C.ちゃんが、2本の乳前歯に大きな損傷がある状態で来院しました。
M.C.ちゃんの来院時の歯の状態
診察の結果、以下の状態が確認されました。
- 51:歯髄炎および歯髄の過形成
- 52:むし歯による大きな欠損

治療前
それぞれの歯の状態や歯髄の状態を確認したうえで、同じ治療方法を一律に適用するのではなく、歯ごとに適切な治療方針が検討されました。
2本の乳前歯に対する治療・修復
診察後、以下の処置を行いました。
51:歯髄治療を行い、小児用ジルコニアクラウンで修復しました。
52:コンポジットレジンを用いて、損傷した歯質を修復しました。

治療後
修復処置を終えた後、2本の乳前歯は、それぞれの歯の状態に合わせて形態が再建されました。
乳歯の治療では、歯髄の状態、歯質の損傷範囲、歯の保存・修復が可能かどうかなどを総合的に判断し、治療方法を選択します。乳歯のむし歯すべてに歯髄治療が必要となるわけではなく、歯髄に病変が認められる場合も、具体的な診断に基づいて適切な治療方法を選択する必要があります。
大きく歯質を失った乳前歯では、欠損した歯質を補い、歯の機能を維持するために、状態に応じた修復方法が検討されます。小児の前歯の修復にはコンポジットレジンなどの材料が使用される場合があり、歯質の欠損が大きい場合には、症例に応じて全部被覆冠による修復が検討されることもあります。
どのようなときに子どもを歯科医院へ連れて行くべき?
以下のような歯の変化に気づいた場合は、歯科医院での診察をおすすめします。
- むし歯の穴や歯の色の異常が見られる
- 歯が欠けたり、ひびが入ったり、折れたりしている
- 歯が痛い、または食事や咀嚼時に不快感がある
- 片側だけで噛む傾向がある
- 歯の周囲の歯肉に腫れやその他の異常が見られる
特に、子どもが痛みを訴えるまで受診を待つことはおすすめできません。むし歯は、明らかな症状がないまま進行する場合もあります。歯の内部の損傷の程度については、歯科医師による診察が必要です。
乳歯も適切なケアが必要です
乳歯は一定期間、口腔内に存在し、咀嚼や発音だけでなく、その後の歯列の発育にも重要な役割を果たします。
乳歯にむし歯や大きな欠損が見られた場合は、歯科医院を受診し、損傷の程度を確認したうえで、適切な治療方法を検討することが大切です。
早期に異常を発見し、適切な診断に基づいて治療を行うことで、お子さまの乳歯をできる限り保存し、状態に応じた修復につなげることができます。
如玉歯科医院


