ある患者様が、他院で小臼歯の根管治療中に合併症が発生し、治療途中の状態で当院へ紹介されました。
以前の治療では、根管の拡大および洗浄を補助するために超音波チップが使用されていました。これは歯内療法における先進的な技術の一つです。しかし、使用方法が適切でなく、器具のコントロールも不十分だったため、根管の形成方向が本来の生理的な根管から逸脱してしまいました。その結果、
- 細菌が蓄積しやすい根尖部の壊死した歯髄組織へ到達することができませんでした。
- 根管を完全に封鎖することができず、空隙が残ったことで細菌の再感染リスクが高まりました。
✅ 歯科用顕微鏡による再根管治療:本来の根管経路を再び見つける
当院では、歯科用顕微鏡を用いて再根管治療を行い、以下の手順で治療を進めました。
- 高倍率で観察しながら、根管系の正しい経路を正確に発見・再確認しました。
- 残存していた歯髄組織および感染した充填材料を完全に除去し、根管全体を徹底的に洗浄しました。
- 生体親和性の高い材料で根管を緊密に封鎖し、天然歯を最大限に保存するとともに、再感染を予防しました。
🎯 この症例から得られる教訓
🔹 根管治療は、単に「神経を取って痛みをなくす」処置ではありません。高度な専門技術であり、次のような要素が求められます。
- 複雑な根管解剖学に関する深い知識。
- 歯内療法用超音波装置、根管長測定器、ロータリーファイルなどの専用機器を適切に扱う経験と技術。
- 歯科用顕微鏡などの先進機器を用い、わずかな細部まで正確に観察できる環境。
🔹 わずかなミスであっても、再感染、長期間の痛み、抜歯、さらには将来的に歯根端切除術が必要になるなど、重大な結果につながる可能性があります。
💡 私たちからのアドバイス
歯内療法を専門とする歯科医師が在籍し、最新の設備を備えた歯科医院を選ぶことをおすすめします。最初から適切な治療を受けることは、痛みを軽減し、治療費を抑えるだけでなく、一生に一度しかない大切な天然歯を守ることにもつながります。






